自社サービスを広めたい・・・。
そう思ったとき、あなたはどのような手段を検討するでしょうか。ウェビナー、ネット広告、さらには展示会という選択肢も考えられます。
そんな中、新たな選択肢として「VR展示会」という方法も検討してみるのはいかがでしょうか。
VR展示会とは、実写や3DCGの展示空間をVRでオンライン上に再現した展示会のことです。
リアルイベントの中止が余儀なくされたコロナ禍に、企業の営業や広報活動の代替案として急速に拡大して注目を集めました。また、実際に展示会場に足を運んだような臨場感を出すことができるだけではなく、オフラインの展示会よりも低コストで実施できるという強みがあります。
とはいえ、VR展示会に参加・出展したことのない人ならば、その実態や、パフォーマンスがどれくらいのものなのかは検討がつかないのではないでしょうか。
本記事では、VR展示会参加・出展はどのようなメリットがあるのか?やコスト、実際に進めるまでのフローについて解説します。
VR展示会は何がよいの?
VR展示会の特徴を理解する際は、対面型のリアル展示会との違いを意識するとわかりやすいでしょう。
対面型コミュニケーションがメインのリアル展示会は、開催スケジュールの調整や設備費や人件費などコスト面に課題を抱える企業が少なくないと言われています。
一方、仮想空間で行われるVR展示会では、オンライン上に出展ブースを構えるだけで自社商品を広くPRできることが強みとされています。
これは出展者だけでなくイベント訪問者にとっても時間と場所を気にする必要がないという点で大きなメリットといえます。
特に効果を実感しやすいのは、海外マーケットへのサービス展開を検討する企業です。VR展示会への参加により、これまで接点を持てなかった新規顧客とのマッチング機会が増えることが期待できます。
また準備〜商談までをすべてWeb上で完結できる点もコスト面、人的リソース面における大きなポイントの一つといえるでしょう。
VR展示会に実施するためのステップ
では、実際にVR展示会を実施する方法について紹介していきます。
大まかなポイントとして下記の3点を押さえましょう。
1.開催方法を決定する
リアルイベントと同様に、VR展示会の開催方法も「合同」「単独」の2種類があります。
合同開催は、イベント会社が管理する1つのプラットフォームに複数の企業がブースを出展するスタイルです。
自社で全てを構築する必要がない分、人的および金銭的なコストを抑えることができます。
合同開催は、自社だけで集客する必要がないため、集客を多く見込めるのも特徴ですが、イベントのコンセプトや来場者の業種などが自社商品とマッチしているか見分ける必要があります。
たとえば、住宅商材を扱う企業ならば、住宅業界に特化した展示会への出展がおすすめでしょう。
一方、単独開催は、自社で用意したWebサイト上で商品を紹介します。
サイト構築にあたって初期投資やWeb知識の伴った人的リソースの確保といった課題もありますが、日程調整やサイトの世界観を自由にカスタマイズできる点がポイントです。
では、コスト面はどうでしょうか。
合同開催は初期投資は抑えられる一方、1回あたりの開催費用は若干高め、単独開催は初期投資が合同開催よりも高くつくものの、1回あたりの開催費用は抑えられることが特長です。
よって、合同開催は初期投資を抑えたい場合や、新規顧客獲得を期待している場合にはおすすめと言えます。対して、単独開催は今後頻繁に単独開催を予定している場合におすすめと言えるでしょう。
開催に伴う大まかな費用の相場は以下の通りです。
- 展示会出展料:10万円~1,200万円
- コンテンツ制作費:100万円~数百万円
- 集客費用:集客方法によって様々
費用相場は形式によって大きく異なってきますので、費用対効果を見極めながら開催方法やプラットフォーム、外注業者等を選択していきましょう。
2.制作会社の確定およびコンテンツ製作
VR展示会では圧倒的な没入感を演出するため「3DCG」でブースを再現するのが一般的です。
バーチャル空間や展示物を作成するには、専門の制作会社に外注することが少なくありません。
「アバターの有無」「オンライン名刺交換」「オンライン商談」など搭載する機能によってその制作費用が変わってきます。
Web上でPR動画を流すだけの2D展示会と比較すると、VR展示会はリアルに体感できるという点から来場者の滞在時間が長く、新規リードの獲得や既存顧客との円滑なコミュニケーションに役立ったという企業が多いというデータが出ています。
ただ、滞在時間が長いからこそ、リード獲得から具体的な商談が進みやすくしたり、より詳細な情報を知っていただけるよう、自社サイトに遷移して見てもらう導線設計が必要です。
3.制作したVR展示場を公開する
コンテンツが完成したら、SNSや企業HP、ネット広告を活用して集客を始めます。
PCやスマホの端末によっては「接続の影響でスムーズに入場できない」「使い方が分かりづらい」という問題が起きる可能性もあります。
初めてVR展示会を開催する場合、動作テストは入念に行ってください。
VR展示会を開催。活用すべきプラットフォームは?
それでは実際に活用すべきプラットフォームの一部を紹介します。
①META BOOTH
株式会社アイデアクラウドが提供しているサービスです。3D・2Dともにコンテンツ制作が可能であり、イベント企画から運営まで一括サポートもしてくれます。
プラスしたいサービス機能も充実しており、初心者だけでなく新たなコンテンツを基にVR展示会を成功させたい企業にオススメです。
▽META BOOTH公式HP
https://metabooth.jp/
②XR CLOUD
monoAI technology株式会社が提供するバーチャルイベント用のプラットフォームです。
独⾃の接続エンジン技術により、数万人規模の同時アクセスに対応する環境を創出できるのが特徴です。
▽XR CLOUD公式HP
https://xrcloud.jp/
なお、コンテンツ制作費用に関しては「既存パッケージ」「自社開発」によって大きく異なります。
まずは試しに手ごろな価格で試してみたいという企業は「既存パッケージ」を流用してみるのも1つの手かもしれません。
決まったパッケージにデータを挿入する形になるため、オリジナリティは薄くなるものの、制作に掛かるスピードは早く、約10万円から展示会の準備が可能です。
一方、自社で見せたいイメージが明確に定まっていたり、機能性の高いコンテンツを制作する場合は「自社開発」を選択すべきでしょう。
費用は数百万円~1千万円ほどと値は張りますが、希望するバーチャル空間に必要な分だけ機能を搭載することができます。
相性が良い商品・サービスはこれだ!
ここまで、VR展示会を開催する場合におすすめのサービスを紹介してきましたが、最後に、VR展示会と相性のよい業界をいくつかピックアップします。
・人材採用や学校説明会
人材や生徒を居住地域にこだわらず集めたい場合、相性がとてもよい業界です。
・機能や技術が重視される事業
参加者の目的が明確であるため、自社サービスとマッチした場合商談がスムーズに進みます。その点で、オンラインで集客でき、かつ没入感ある映像でプレゼンできるVR展示会との相性がよいと言えるでしょう。
・ITサービス、ソフトといった無形商材
無形商材を取り扱う場合、リアルで展示会を開催した場合の恩恵をあまり受けないから、という理由が大きいでしょう。低コストかつ場所の成約がないため、多くのリード獲得が期待できます。
・自治体が主導する企業マッチング展示会や観光イベント
こちらも遠方からの来訪者との出会いがその後の商談につながるため、相性がよいと言えるでしょう。
一方、食品や工芸品など感覚や味覚が必要とされる物は、VRでは最大限その価値を伝えることができないかもしれません。
ただ、最近はVR+リアルという「ハイブリッド展示会」を開催する企業も少なくありません。
これは数日間ほどVR展示会をWeb上で行い、その後に自社に対して強く興味関心を持った企業を対象としたリアルイベントを開催するという形を取ります。
Webで広く宣伝活動を行い、より詳細にサービスを知りたいと思ってくれた方には対面型コミュニケーションでリード獲得をする。最初にコストを抑えながら自社サービスに興味を持ってもらううえでVRとリアルの「いいとこ取り」をしている事例と言えるでしょう。
どういった見せ方が最も自社の目的を達成できるのか。ぜひ本記事を読んで検討してみてください。