
Robloxは、子どもから大人まで幅広いユーザーに人気のオンラインゲームプラットフォームです。自由にゲームで遊べるのはもちろん、自分でゲームを作れることが特徴であり、教育面でも注目されています。
しかし、クリエイティブな活動の一方で、著作権や安全性に関する問題にも注意が必要です。
本記事では、子どもがRobloxを使用する際に気をつけるべきポイントや、その魅力と教育的活用法について詳しく解説します。
Robloxとは|自由に遊んで作れるゲームプラットフォーム
Robloxは、オンラインでさまざまなゲームをプレイできるだけではなく、自分でゲームを作り、世界中のプレイヤーと共有できるプラットフォームです。
2024年第4四半期時点でのデイリーアクティブユーザー数(DAU)は8,530 万人で、そのうち約4割の3,250万人が13歳未満のユーザーとなっています。ユーザーの期間中の総利用時間は187億時間です。
Robloxは「仮想空間(メタバース)」のひとつでもあり、ユーザーはゲームを通じて他ユーザーとの交流や、仮想通貨「Robux」を使ってアイテムやゲームを購入するなど、デジタルの中でリアルな体験を楽しむことができます。
パソコン、スマートフォン、VRデバイスなど多様なデバイスに対応しており、間口が広く、誰でも始めやすい環境が整っています。
ユーザーが遊び・作り、収益化し、商品を購入する循環的なエコシステムを形成
Robloxでは、世界中のユーザーが作ったさまざまなゲームで自由に遊べるだけではなく、「Roblox Studio」を使って、自分だけのゲームを作り、公開することができます。
また、作ったゲームやアイテムを通じて収益化もでき、稼いだ通貨(Robux)を使って、好きなアイテムやアバターの購入に充てることもできるなど、Roblox内で経済活動がおこなえます。
さらに、自分のアバターを自由にカスタマイズして個性を表現する楽しさもあり、他のプレイヤーとチャットや協力プレイを通じて交流することで、グローバルなコミュニティの一員としてつながれます。
Robloxが人気を集める3つの理由
Robloxが人気の理由は大きく次の3つです。
- 手軽なゲーム作成環境
- コミュニティ性の高さ
- 多様で継続的な更新
手軽なゲーム作成環境|ゲーム開発ツール「Roblox Studio」の直感的な操作性で初心者でも作成可能
「Roblox Studio」はRobloxが提供する公式のゲーム開発ツールで、初心者でも簡単にゲームを作成・公開できることが特徴です。
このツールはプログラミングの知識がない人でも直感的に操作できるよう設計されており、小中学生などの子どもを含め、誰でも簡単にゲーム作りを楽しめるようになっています。
また、作成したゲームはすぐに公開でき、世界中のプレイヤーにプレイしてもらえる環境が整っています。
コミュニティ性の高さ|ユーザー間の交流や共同作業が可能!友人や家族とも楽しめる
Robloxは友人や他のプレイヤーとのバーチャル空間での交流に力を入れています。
フレンド機能はもちろん、「グループ(チーム)」作成機能もあり、グループを組むことで、同じ興味や目的を持つ仲間とつながることができます。
Robloxのフレンド機能は、ユーザー同士が友達として登録し、共にゲームを楽しむための重要な機能です。
この機能を利用することで、プレイヤーは他のユーザーとコミュニケーションを取りながら、協力プレイや対戦を楽しむことができます。
また、「Roblox Connect」というチャット機能では、ゲーム中でもゲームをしていない時でも、フレンドとリアルタイムでテキストメッセージを送受信することができます。
その他にも、グループ機能の中で使える掲示板と呼ばれる機能では、特定の話題やゲームの情報交換、ディスカッションなどがおこなえるようになっており、フレンド以外の多くのユーザーとのコミュニケーションの場が提供されています。
多様で継続的な更新|世界中のユーザーが作成した新しいゲーム・コンテンツが定期的に追加される
Robloxは、世界中のユーザーが日々新たなゲームやコンテンツを追加する活発なプラットフォームです。
2021年には、ユーザーが作成した2500万以上の仮想アイテムが追加され、58億以上のアイテムが取得されました。
公開されているゲームの総数は公表されていませんが、米国のDemandSage社の調べ(2024年9月時点)によると4000万以上のゲームやコンテンツが存在し、日に日にその数は増え続けています。
Robloxのおすすめ人気ゲーム4選
Robloxのおすすめ人気ゲームは次の4つです。
- フィッシュ(FISCH)
- 3008
- アップ・ドッグ [2プレイヤー・オビー](UP DOG [2 Player Obby])
- ディープウォーク(Deepwoken)
フィッシュ(FISCH)|40万種以上の魚が捕まえられる、釣りアドベンチャーゲーム
フィッシュ(FISCH)は無料で遊べるRobloxで人気の釣りアドベンチャーゲームです。
ゲームはある島からスタートします。
クエストを通じて魚を釣り、釣った魚を売ってお金をため、より良い釣り道具の購入や、珍しい魚を釣るために新しいクエストに挑戦していきます。
釣った魚で得たお金でボートを買い、広いマップの好きな場所で、ひとりまたは好きなフレンドなどと一緒に釣りを楽しむなど、他プレイヤーとの交流や、アイテムのトレードなど、コミュニティ要素も充実しています。
3008|巨大な家具店をさまよう、ホラーサバイバル
3008は某大型家具店に似た異世界空間「SCP-3008-1」を舞台にした無料で遊べるサバイバルホラーゲームです。
そこでは、夜になると店員に似た人型の存在「SCP-3008-2」が、プレイヤーを攻撃してくるため、プレイヤーは広大な店内を探索し、昼間に食料や物資を集め、家具を使い、自衛のため拠点を築いていきます。
ひとりで遊べる「Singleplayer」モードのほか、100人まで参加できる「100Players」モードもあり、他のプレイヤーと協力してゲームを楽しめます。
アップ・ドッグ [2プレイヤー・オビー](UP DOG [2 Player Obby])|2人プレイのチームワーク・アスレチック
アップ・ドッグ [2プレイヤー・オビー] (UP DOG [2 Player Obby])は、無料で遊べるゲームです。
友達と2人で協力して挑戦することを目的とし、プレイヤーは犬のアバターとなり、お互いが紐で結ばれます。
その状態で協力して障害物を乗り越え、最高300メートルの高さまで登ることを目指します。
上に行くほど足場が少なく、難しくなっていき、どちらかが落ちてしまうと一緒に落ちてしまうこともあるなど、ふたりのコミュニケーションやチームワークが試されるゲームです。
ディープウォーク(Deepwoken)|本格的なアクションRPG
ディープウォーク(Deepwoken)は有料(400Robux)の高難易度のアクションRPGです。
広大な海洋世界を探索し、強力な敵との戦闘や謎解きを通じて物語を進めます。
本作の特徴として、キャラクターが死亡すると全ての進行状況がリセットされるシステムが採用されており、緊張感のあるゲームプレイが求められます。
多彩な種族や能力、スキルを組み合わせて自分だけのキャラクターを育成し、時には別のプレイヤーと協力しながらクリアを目指しましょう。
RobloxはVRデバイスを使っても遊べる
Roblox VRというVR版では、Roblox のゲームを次のVRデバイスを使ってプレイできます。
公式でサポートしている機種 | ・Oculus Rift ・Meta Quest Pro ・Meta Quest 2 ・Meta Quest 3 ・HTC Vive(Windows PC上) ・Valve Index(Windows PC上) |
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SteamVR を通じて非公式にサポートしている機種 | ・Pico ・Reverbなど |
ただし、Roblox のすべてのゲームがVRに対応しているわけではありません。
VR対応ゲームを探したい場合は、Roblox内のゲーム検索窓に「VR」と入力し、タイトルに「VR」とついているゲームを探してみてください。
Robloxの教育活用|プログラミング技術と創造性を育てる
Robloxは教育面において、次の2つの観点で活用されています
- プログラミング学習の導入
- 創造性とチームワークの向上
プログラミング学習の導入
Robloxは「Lua」と呼ばれる開発言語を使用しています。
ゲーム作成の際に用いるRoblox Studioで、ビジュアルメニューを活用しつつ「Lua」を使ったゲーム作成が可能です。
また、Robloxにおけるプログラミング学習には、次の2つのメリットがあります。
- 「自分の力で何かを作りたい」という気持ちを育てることができる
- 自分のスキルに合わせて基礎から高度な要素へと段階的に挑戦できる
こういったメリットを享受できるのも、Robloxの良さと言えるでしょう。
創造力とチームワークの向上
Robloxでは、アイデアを自由に形にできます。オリジナルのゲームや仮想空間をデザインすることで、創造力を伸ばせるでしょう。
また、他のRobloxユーザーと共同でゲームやプロジェクトを作成し、議論や協力をしながらプロジェクトを進める経験もできます。
グループで取り組むことでリーダーシップや、作業分担の役割決めなど、社会で必要なスキルを楽しみながら学べます。
Robloxを子どもに使わせる際に気をつけたいこと

Robloxを未成年(特に中学生未満)の子どもに使用させる場合、次の4つの点に注意が必要です。
- 子どもが作ったコンテンツが著作権を侵害していないか確認する
- 子どもにとって悪影響なコンテンツを表示させないようにする
- プレイする子どもの年齢にあわせてチャット機能を設定しておく
- 子どもが長時間プレイや課金をしないように制限をかけておく
子どもが作ったコンテンツが著作権を侵害していないか確認する
Robloxではユーザーが自由にゲームやアイテムを作成できる反面、子どもの作ったコンテンツが他者の著作権を侵害していないか注意が必要です。
たとえば、次のような行為は著作権法違反・Robloxの規約違反となり、アカウント停止や法的措置のリスクがあります。
- 第三者が権利を持つキャラクターやブランドを無断で使用する
- 著作権で保護された音楽や画像をゲーム内に取り入れる
子ども自身に著作権についての意識を持たせるよう教えるのに加えて、作ったコンテンツを公開する前に、著作権を侵害している可能性がないかを保護者が確認するようにしてください。
子どもにとって悪影響なコンテンツを表示させないようにする
Robloxはコンテンツに「成熟度」という指標を設けています。これは通常のゲームにおける年齢制限のようなもので、以下のように分類されています。
成熟度 | コンテンツの内容(一部) |
---|---|
極小 | 軽度の暴力 |
軽度 | 頻繁な軽度の暴力 |
中程度 | 頻繁な中程度の暴力 |
R指定 | 激しい暴力 |
また、9歳未満のユーザーに対しては、初期設定で「極少」または「軽度」のコンテンツと分類表示したゲームや、バーチャル空間にしかアクセスできないようになっています。
加えて保護者権限つきのアカウントでは、ペアレントコントロール機能で閲覧可能なコンテンツの成熟度設定も可能です。
プレイする子どもの年齢にあわせてチャット機能を設定しておく
Robloxにはチャットフィルター機能があります。
これは、チャットでの暴言などを規制するために、Robloxで全てのゲームに搭載されている機能です。
暴力的・卑猥な発言や、個人識別情報(住所や電話番号など)が表示されないように規制されています。
また、13歳未満のユーザーに関しては、特定のチャット機能へのアクセスを制限する初期設定がされていたり、そもそもアクセスできない機能があるなど、年齢によってフィルタリングがかけられています。
保護者のアカウントからプライバシー設定の確認や変更が可能ですので、お子様の年齢や状況に応じて、保護者の方が設定変更を行ってください。
子どもが長時間プレイや課金をしないように制限をかけておく
Robloxには、保護者が抱える課金管理の不安を解消するため「課金通知」「支出制限額の設定」機能が用意されています。
子どものアカウント上の課金行為に対し、保護者が通知が受け取れる機能と、18歳未満のユーザーアカウントに対して、1ヶ月あたりの支出額を制限できる機能です。
その他にも、スクリーンタイムの設定でプレイ時間を制限することもできるため、必要に応じ設定しておくとよいでしょう。
Robloxで学びと遊びを両立させよう
Robloxは、遊びと学びの両立を可能にするプラットフォームです。
創造性を発揮し、プログラミングやチームワークを学べる場としても注目されています。
安全な利用を心がけることで、教育的価値も楽しさも最大限に引き出せるでしょう。