
頭の上から取り付けて映像やVR・AR・MR体験を楽しむデバイスは「ヘッドマウントディスプレイ(HMD)」と呼ばれます。そのヘッドマウントディスプレイ利用時に問題になるのが、メガネの存在です。
今回の記事では、メガネを使う人がヘッドマウントディスプレイを楽しむ方法を解説します。
ヘッドマウントディスプレイはメガネの人でも使える
VRゴーグル(ヘッドセット)やARグラスなどのヘッドマウントディスプレイは、ふだんメガネを着用している人でも利用できます。
ただし、デバイスによってはメガネを着けたままでは利用できない場合もあるため、必要に応じた対策が必要になります。
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ヘッドマウントディスプレイは大きく分けて2種類
ヘッドマウントディスプレイ利用時のメガネ対策の前に、まずはヘッドマウントディスプレイの種類について解説します。
ヘッドマウントディスプレイは大きく次の2種類に分けられます。
- ゴーグル(ヘッドセット)型
- グラス(メガネ)型
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ゴーグル(ヘッドセット)型

ゴーグル(ヘッドセット)型は、Meta Quest 3やApple Vision Proなど、額から目の周辺まですっぽり覆うタイプのヘッドマウントディスプレイです。
デバイスによってはレンズと着用者の目の間に十分なスペースがあるため、メガネをかけたまま使用できる場合もあります。
ただし、ゴーグル(ヘッドセット)型の多くはメガネを着けたままの利用を推奨しておらず、専用のインサートレンズが用意されています。
利用はできるかもしれませんが、デバイスやメガネの破損にもつながる可能性があり、快適なVR・AR・MR体験をするためにもインサートレンズの利用をおすすめします。
グラス(メガネ)型

グラス(メガネ)型とは、XREAL Air 2やRokid Maxなど、ゴーグル(ヘッドセット)型に比べて小型で、メガネに形が近いタイプのヘッドマウントディスプレイです。
グラス型のデバイスはメガネに近い形状のため、そもそもメガネの上から装着することが難しかったり、装着できたとしても正しい位置で装着できず、投影される情報を正しく視認できなくなる可能性が高くなります。
また、無理やり装着してしまうと、メガネとデバイスがぶつかってしまい、両方の損傷にもつながるため、メガネをかけたままの利用はおすすめできません。
詳細は後述しますが、グラス(メガネ)型では、製品ごとにメガネ使用者向けの対策が用意されています。
メガネの人がヘッドマウントディスプレイを使うには?
ふだんメガネをかけている人がヘッドマウントディスプレイを使用する場合、大きく分けて次の3つの方法があります。
- コンタクトレンズを着ける
- インサートレンズ、またはデバイスの視力補正機能を活用する
- メガネの上からデバイスを着ける
コンタクトレンズを着ける | ゴーグル型・メガネ型どちらも対応

ふだんからメガネとコンタクトレンズを使い分けている人なら、コンタクトレンズを着けるのがもっとも簡単な方法です。
コンタクトの着用により正常な視力値(1.0程度)以上にできれば、メガネを気にせず、自分の好きなヘッドマウントディスプレイが選べます。
インサートレンズ、またはデバイスの視力補正機能を活用する | 対応機種のみ利用可能
ヘッドマウントディスプレイでは、グラス(メガネ)型・ゴーグル(ヘッドセット)型のどちらでも、基本的にメガネをかけたままの利用は推奨されていません。
そのため、度数調整ができるインサートレンズや、製品に搭載されている視力補正機能を活用するとよいでしょう。
デバイス本体内蔵の視力補正機能は、補正機能の対応範囲を超える近視や、遠視、乱視に対応していません。
その反面、インサートレンズは一人ひとりに合った視力調整ができるため、快適なXR体験が楽しめます。
ただし、レンズは別売りのため別途購入が必要です。また、インサートレンズを取り付けるアタッチメントも、製品に同梱されている場合と、別売りの場合があるので確認するとよいでしょう。
メガネの上からデバイスを着ける | ゴーグル型の場合可能なこともある
VRゴーグル(ヘッドセット)など、一部のデバイスではヘッドマウントディスプレイとユーザーの顔の周辺に十分なスペースがあり、メガネをかけたまま利用できる場合があります。
ただしフレームが太い・大きいメガネだと、ヘッドマウントディスプレイのレンズとメガネがぶつかってキズが付いたり、メガネのフレームが曲がってしまったりする可能性も。
また、ヘッドマウントディスプレイ使用時に用いる小さめのメガネを別に用意しておくといった方法もありますが、ヘッドマウントディスプレイ利用中にメガネがズレてしまった場合に直すのがちょっと面倒、という問題もあります。
メガネ使用者でも使えるヘッドマウントディスプレイ6選
ふだんメガネをかけている人でも使えるヘッドマウントディスプレイの中から6製品を紹介。それぞれのデバイスがどの視力補正対策を持っているかも合わせて解説します。
- Meta Quest 3
- Apple Vision Pro
- VIVE XR Elite
- Rokid Max
- XREAL Air 2
- MiRZA
Meta Quest 3|Meta

(出典:Meta Quest 3|Amazon)
インサートレンズ | 視力補正機能 |
---|---|
○ | × |
Metaの「Meta Quest 3」(税込8万1,400円、512GBモデル)は、これひとつでVR・MRコンテンツが楽しめる一体型VRヘッドセットです。
2024年10月15日から廉価モデル「Meta Quest 3S」(税込4万8,400円、128GBモデル)も販売されています(製品価格はどちらも2025年2月調べ)。
Meta Quest 3/3Sは眼鏡メーカーのZenniと提携し、同社製のインサートレンズを提供しています。
▽販売ページはこちら
・Meta Quest 3
・Meta Quest 3S
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Apple Vision Pro|Apple

(出典:Apple Vision Proが登場 - Appleが開発した初の空間コンピュータ|Apple)
インサートレンズ | 視力補正機能 |
---|---|
○ | × |
「Apple Vision Pro」は日本では2024年6月から販売開始された、Appleの空間コンピューティングデバイスです。価格は税込59万9,800円(256GBモデル)からと非常に高価ですが、ハイクオリティなVR・MRコンテンツを体験できます(製品価格は2025年2月調べ)。
Apple Vision Proはドイツの光学機器・レンズメーカーのZEISS(ツァイス)と提携し、同社製のインサートレンズを提供しています。
VIVE XR Elite|HTC

(出典:HTC、新製品の折りたたみ型オールインワンXRヘッドセット「VIVE XR Elite」販売開始!|HTC NIPPON)
インサートレンズ | 視力補正機能 |
---|---|
× | ○ |
HTCの「VIVE XR Elite」(税込16万4,000円)は、PCとの接続不要な一体型VRゴーグルで、後部のバッテリーを外してメガネ型デバイスのように使える「メガネモード」にできるのも特徴です(製品価格は2025年2月調べ)。
VIVE XR Eliteは本体に視力補正機能があり、一定の範囲内で視力調整が可能になっています。
Rokid Max|Rokid

(出典:「Rokid Max」「Rokid Station」「Rokid AR Joy Pack」を量販店で販売開始!ビックカメラ各店舗でも順次販売開始予定!|Rokid inc)
インサートレンズ | 視力補正機能 |
---|---|
○ | ○ |
Rokidの「Rokid Max」(税込4万9,800円)は、ニンテンドースイッチやプレイステーション5などのゲーム機に接続し、大画面でゲームプレイができるARグラス(メガネ型ディスプレイ)です(製品価格は2025年2月調べ)。
Rokid Maxはグラス本体に視力補正機能を搭載しており、左右それぞれ0.0Dから-6.0Dの範囲で視力調整が可能。
また、対応範囲を超えるユーザー向けにはインサートレンズ・インサートレンズ用アタッチメント(どちらも別売)が用意されています。
▷販売ページはこちら
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XREAL Air 2|XREAL

(出典:新商品「XREAL Air 2」10月16日より量販店およびAmazonでの販売開始|XREAL)
インサートレンズ | 視力補正機能 |
---|---|
○ | × |
「XREAL Air 2」(税込4万9,980円)はXREALのARグラス(メガネ型ディスプレイ)です(製品価格は2025年2月調べ)。スマホやPC、ゲーム機と接続し、目の前に広がる大画面で映像視聴やゲームが楽しめます。
XREAL Air 2では、インサートレンズが別売りで用意されており、製品同梱のアタッチメントを使って装着できます。
▷販売ページはこちら
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MiRZA(ミルザ)|NTTコノキューデバイス

(出典:軽量でワイヤレス、高性能なXRグラス「MiRZA」を発表 ~世界初、スマートフォンと無線接続するAR2搭載グラス、法人パートナー募集も開始~|NTTコノキューデバイス)
インサートレンズ | 視力補正機能 |
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○ | × |
「MiRZA」は2024年10月から発売された、NTTコノキューデバイスのXRグラス(税込24万8,000円)です(製品価格は2025年2月調べ)。125gと軽量で、スマートフォンとワイヤレス接続(無線)で利用可能。メガネと変わらない使用感で利用できます。
また、高性能なチップを搭載しているため、3D動画や負荷の高いアプリケーションの処理も安定して使えるのが特徴です。
なお、パリミキやアイジャパンと提携し、視力の低い方向けにインサートレンズが用意されています。
▷販売ページはこちら
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メガネを使っている人がヘッドマウントディスプレイを利用する際、対策方法はデバイスによってさまざまです。自分にあったデバイスを用意して思う存分XR体験を楽しんじゃいましょう!