
XREAL AirシリーズやVITURE Proを筆頭に、メガネ型のデバイスであるAR・MR・XRグラスは、ここ1、2年で着実に知名度とユーザー数を増やしています。
AR・MR・XRグラスは各社からさまざまな製品が登場していますが、どれを選べばいいのか悩んでいる人向けに、おすすめのデバイスを紹介します。
AR・MR・XRグラスとは|XR体験が可能なメガネ型のデバイス
メガネに似たサイズ・形状のフレームの中に、ディスプレイやカメラ、スピーカー、マイク、各種プロセッサー・センサーなどを搭載したメガネ(グラス)のことを、メガネ(グラス)型デバイスと言います。
メガネ型デバイスは、VR・AR・MRコンテンツを表示できるタイプや、2次元空間におけるデジタル情報や音声を扱えるものがあり、各メーカーがそのメガネ型デバイスの特徴に合わせてそれぞれ「ARグラス」「MRグラス」「XRグラス」などの呼び名を使っています。
また、XRデバイスの中にはメガネ型デバイスの他に、ゴーグル(ヘッドセット)型のデバイスもあります。
ゴーグル型デバイスは、メガネ型デバイスより大型で、目の周辺を大きく覆うタイプのデバイスです。
メガネ型デバイスよりも重量はありますが、解像度などのXRコンテンツに対する表現力が高いデバイスや、ディスプレイやバッテリーを搭載しており、外部機器と接続せず、場所を選ばす使えるデバイスや、PCなどと接続することで、より高い処理能力を発揮できるデバイスもあります。
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AR・MR・XRグラスの選びの4つのポイント
現在、各社からさまざまなグラス型デバイスが発売されています。
製品ごとに特長が異なるため、各製品の違いを理解し、自分の目的に合ったデバイスを選ぶとよいでしょう。
製品選びで確認しておきたいポイントは次の4つです。
- 利用用途
- 製品価格
- ディスプレイの表示能力
- 視力補正対応の有無
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利用用途|動画視聴やゲームなら個人向け製品・ビジネス用途なら法人向け製品
個人利用向けの製品は、映像表示やオーディオなど、動画視聴やゲームプレイに適した機能に特化しているものが主流です。重視する機能を絞っているぶん、法人向け製品よりもできることは少ないですが、価格も安く抑えられています。
個人向けで有名なデバイスではXREAL Air 2などがあります。
一方、法人向け製品は実際のビジネス現場への導入が前提にあり、デバイスとしての処理能力の高さや特殊な用途を求められるため、製品としてのスペックも上がり、価格も高めになりがちです。
また、法人向け製品は個人向け製品よりも端末管理や、ソフトウェアのセキュリティ管理を厳密におこなう必要があることから、端末管理ソリューションが複数の企業から提供されています。
法人向けで現在販売されているデバイスではMiRZAがあります。
このように、個人で使うか法人で使うかにより必要な機能やスペックが異なるため、用途にあった製品を選ぶようにしましょう。
製品価格|主流となる製品価格は個人向けであれば5万円前後・法人向けは対応機能によって価格は異なる
個人で使う製品の価格帯は4万円〜7万円台がボリュームゾーンです。また、なかには外部アクセサリーを追加購入することで機能拡張できる製品もあります。
一方、法人向けの製品価格は高機能であるぶん、個人向け製品よりも高価です。どのような機能が必要かによって選ぶデバイスは異なりますが、代表的な製品のMiRZAは約25万円です。
ディスプレイの表示能力|映像の見え方は用途問わず重要。個人的なこだわりポイントも要チェック
デバイス選びにあたり、重視すべきスペックは用途によって変わりますが、ディスプレイの解像度や表示領域などの映像の見え方、本体重量は用途に関わらずチェックしたいポイントです。
その他、こだわりたい人にとっては、バッテリー持続時間やオーディオ性能、外部アクセサリーなどもポイントとなるでしょう。
視力補正対応の有無|メガネ利用者はインサートレンズや視力補正に対応しているかを確認
XRグラスはその形状とサイズから、メガネをかけたままの利用は推奨されていません。
メガネを着けたまま使うと、メガネやデバイスの損傷にもつながるため、メガネ使用者向けにどのようなサポートがあるかを確認しておくとよいでしょう。
ディスプレイ表示機能を有する多くのXRグラス製品には「インサートレンズの装着」または「デバイス内蔵の視力補正機能」、いずれかの手段が用意されています。
また、Ray-Ban Metaスマートグラスのようなディスプレイ表示機能のないXRグラス(スマートグラス)の場合は、デバイスのレンズ部分をそのまま矯正レンズに入れ替えることで視力補正が可能です。
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AR・MR・XRグラスおすすめ5選
個人向けの利用から開発者向け・法人向けまで、おすすめのXRグラス5製品を紹介します。自身の興味や利用目的、予算にあったデバイスを選びましょう。
- XREAL Air 2|XREAL
- Rokid Max|Rokid
- VITURE Pro|VITUR
- EXREAL Air 2 Ultra|XERAL
- MiRZA|NTTコノキューデバイス
XREAL Air 2|XREAL

(出典:新商品「XREAL Air 2」10月16日より量販店およびAmazonでの販売開始|XREAL)
「XREAL Air 2」はXREAL社のARグラスです。個人利用向けで、映像視聴やゲームプレイに向いたデバイスです(税込4万9,980円、2025年2月時点)。
外部アクセサリー「XREAL Beam」「XREAL Beam Pro」と接続すると機能が拡張できます。また、視力補正には別売りのインサートレンズが利用可能です。
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Rokid Max|Rokid

(出典:「Rokid Max」「Rokid Station」「Rokid AR Joy Pack」を量販店で販売開始!ビックカメラ各店舗でも順次販売開始予定!|Rokid inc)
RokidのARグラスである「Rokid Max」は、XREAL Air 2と同じく個人利用向けの製品です(税込4万9,800円、2025年2月時点)。
映像視聴やゲームプレイに向くほか、外部デバイス「Rokid Station」と接続することで、Android TVのストリーミング配信サービスが視聴できます。
また、デバイス本体に視力補正機能があるのも特徴です。なお、強度の近視や乱視など、視力補正機能で対応できない場合には、別売りのインサートレンズとアタッチメントで対応可能です。
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VITURE Pro|VITURE

(出典:【VITURE】進化した視聴体験がここに。新型XRグラス「VITURE Pro」を発表。さらにGACKTコラボモデルの新色マシュマロホワイトを数量限定で予約受付開始。|VITURE Inc.)
VITUREのXRグラスである「VITURE Pro」は、XREAL Air 2やRokid Maxと同じく個人向けの製品です(税込7万4,880円、2025年2月時点)。
4000nitsの高輝度ディスプレイやHARMAN(ハーマン)の立体音響システムが搭載されており、映像視聴やゲームプレイに向くデバイスです。
また、デバイス本体に視力補正機能が搭載されており、視力補正機能で対応できない人向けには別売りでインサートレンズとアタッチメントも用意されています。
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XREAL Air 2 Ultra|XREAL

(出典:XREAL 最新ARグラス「XREAL Air 2 Ultra」を発表|XREAL)
「XREAL Air 2 Ultra」は、XREAL Air 2やAir 2 Proの上位機種にあたるARグラスです。
XREALの中ではハイスペックな製品のため価格も9万9,800円(税込)と他の製品よりも高めです(2025年2月時点)。
そのぶん性能は高く、6DoF対応で奥行きのあるARコンテンツが体験できるほか、ハンドトラッキングやハンドジェスチャーも利用できます。
加えて、iPhoneの最新機能のひとつである「空間ビデオ」もサポートしており、対応するiPhoneと接続することで、立体感のある空間ビデオが楽しめます。
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MiRZA|NTTコノキューデバイス

(出典:軽量でワイヤレス、高性能なXRグラス「MiRZA」を発表 ~世界初、スマートフォンと無線接続するAR2搭載グラス、法人パートナー募集も開始~|NTTコノキューデバイス)
「MiRZA」はNTTコノキューデバイスから発売されているXRグラスです。法人向けのため、税込24万8,000円(2025年2月時点)と高価ですが、その分高性能な製品となっています。(個人でも購入可能)
6DoF対応で奥行きのあるAR・MR表現もできる高性能なデバイスで、本体重量は約125グラム、スマートフォンとワイヤレス接続で利用できるのも特長です。視力補正にはインサートレンズを採用しています。
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AR・MR・XRグラスを選ぶ際の2つの注意点
ここではAR・MR・XRグラス選びの際に気を付けたい2つの注意点について解説します。
- 翻訳したい言語に対応しているか確認する
- 複数人でAR・MR・XRグラスを利用する場合は使う人ごとに合わせた「視力補正対応」が可能か確認する
翻訳したい言語に対応しているか確認する
MiRZAなど一部のAR・MR・XRグラスでは、会話している相手の音声をリアルタイムで文字表示し、別の言語に翻訳できます。
リアルタイム翻訳や文字起こしの機能を使いたい場合、アプリケーションやサービスが希望する翻訳言語に対応しているかを事前に確認しておきましょう。
複数人でAR・MR・XRグラスを利用する場合は使う人ごとに合わせた「視力補正対応」が可能か確認する
法人利用の場合など、一台のグラスを複数人で共同利用することがありますが、そういった場合、使う人ごとに視力補正が必要となります。
たとえば、VITURE ProやRokid Maxに搭載されている視力補正機能は、複数人で利用する場合、使う人が変わるごとに再調整が必要です。
一方、XREAL Air 2やMiRZAで対応しているインサートレンズでは、使う人それぞれの視力に応じたインサートレンズが必要になります。
なお、MiRZAでは展示会や営業時のデモ利用を想定した法人のお客様向けに、度付きインサートレンズの複数の度数をセットにした「MiRZAデモ用度付きインサートレンズキット」(別売)も販売しています。
AR・MR・XRグラスを何人で使うのか、そのなかに視力補正が必要な人が何人いるのかを把握しておくと、デバイス選びがしやすくなります。
利用シーンに応じて最適なデバイスを検討することをおすすめします。
自分のやりたいことからAR・MR・XRグラスを選んでみよう
自分が何をしたいかによって、選ぶべきAR・MR・XRグラスも変わってきます。とくに個人向けと法人向けでは機能も価格も異なります。
まずは自分の目的に合った製品を見つけるところから始めてみましょう。