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ARグラスでできることとは?ARグラス選びのポイントも解説!

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XR業界でも少しずつ話題に上がることが多くなってきた「ARグラス」

ですが、手にとってみたことがあるという方は少ないのではないでしょうか。

そこで本記事では、ARグラスでできることやARグラスの展望、購入する際の選び方のポイントなどを解説します。

ARグラスとはAR機能を備えたメガネ型デバイス

AR(Augmented Reality、拡張現実)とは、現実の光景にCGなどのデジタル情報を重ね合わせて現実を“拡張”する技術のことです。そしてARグラスとは、その名の通り「AR機能を備えたメガネ型のデバイス」を指します。

ARグラスはメガネのレンズ部分がディスプレイになっており、レンズを通して現実の光景とデジタルデータを重ね合わせて表示します。

ARグラスでできることは、映像鑑賞から音声通話、写真撮影と幅広い

ARグラスは次のシーンで活躍します。

  • どこでも大画面で映画やゲームを楽しめる
  • 映像や資料を共有して遠隔で共同作業ができる

どこでも大画面で映画やゲームを楽しめる

ARグラスをスマホやタブレット、ゲーム機などに接続することで、どこでも動画の視聴やゲームが楽しめます。

場所を選ばないので、飛行機や新幹線などの移動中に映画や動画を鑑賞したり、スマホよりも大画面でゲームをプレイしたりといった使い方も可能です。

映画鑑賞やゲームプレイに利用されるARグラスは一般消費者向けのものが多く、コンパクトでデザイン性も高い製品が多い点も特徴。

たとえば、XREALの「XREAL Air 2」は72gと軽量で、見た目もサングラスのようにシンプルに設計されています。

映像や資料を共有し、遠隔で共同作業ができる

特定のARコンテンツを複数のユーザーがそれぞれのARグラスで同時に見られる機種も存在します。また、マイクやスピーカーが内蔵されていれば、音声通話による情報共有も可能です。

また、ARグラスではレンズ越しに現実の光景も見えているため、周囲を確認しながら安全に作業できます。

こうした機能を活用し、医療現場や建設現場などでは、遠隔サポートや共同作業でARグラスが活用されている事例もあります。

例えば「Diorama Vision ‐浸水マップ‐」では、Magic Leap 2を用いて、ARで表示した物体を設置・移動・操作でき、シミュレーションや立体的な図面確認が可能です。

(出典:ARグラスで未来を防災。3Dジオラマで水害発生時の都市を俯瞰し避難所を確認できるアプリ『Diorama Vision ‐浸水マップ‐』をリリース|アップフロンティア株式会社


また医療現場では、ARグラスを装着した医療従事者に対し、手技に必要な画像を目の前に表示させつつ、第三者が音声で装着者に指示ができるシステムの開発が進んでいます。

革新的スマートグラスを取り入れたデジタル教育ツールに関する共同研究開発契約を締結

(出典:卒後の臨床看護技術教育における革新的スマートグラスを取り入れたデジタル教育ツールに関する共同研究開発契約を締結|学校法人 順天堂

ARグラスの普及で実現しそうな3つの未来像

ARグラスの普及で起こりうる未来の変化について、次の3つのポイントにまとめて解説します。

  • メガネの上位互換品になる?
  • 翻訳ツールが要らなくなる?
  • スマホと同じぐらい必須アイテムになる?

メガネの上位互換品になる?

ARグラスの難点のひとつは「すでにメガネを使っている人には使いにくい」ということです。メガネ利用者がARグラスを使おうとすると、「メガネの上にメガネ」になったり、専用の視力矯正アタッチメントが必要になる場合があります。

ですが、たとえばRokidの「Rokid Max」にはグラス本体に近視補正機構が付いており、普段メガネをかけている視力の弱い方でも使いやすくなっています。

また、「XREAL Air」や「XREAL Air 2 Pro」では、視力を補正する「インサートレンズ」と呼ばれるレンズがあり、本体のノーズパッド部分を取り外し、レンズの内側から取り付けたうえ、ノーズパッドをはめ直すだけで、簡単に取り付けが可能です。

こうした近視補正機構が一般的に広く普及すれば、メガネやサングラスの上位互換品として、多くの人がARグラスを日常的に利用するようになるかもしれません。

翻訳ツールが要らなくなる?

INMOの「INMO Go」では、音声認識でリアルタイム翻訳した会話をレンズ部のディスプレイに表示し、会話者が互いにINMO Goを装着していれば、自国語のみで会話することも可能です。

また、スマートグラスにはなりますが、Googleは2022年にリアルタイム翻訳スマートグラス(未販売)のコンセプト動画を公開しています。

他にも、Brilliant Labs(ブリリアントラボ)社のスマートグラス製品である「Monocle」や「Frame」と連携しているAIアプリの「Noa」には、音声認識と多言語翻訳機能が備わっています。

スマホと同じぐらい必須アイテムになる?

ARグラスが今後も進化を続けていけば、スマホやPCに近い性能を持つ可能性もあります。

そうなれば、スマホの役割がしだいにARグラスに移り、スマホと同じように「誰もが一台は持っている」デバイスになるかもしれません。

また、ARグラスの性能を今以上に向上させるには、高性能のディスプレイやチップセットが必要となりますが、高性能な部品は消費電力が増えるため、電池持ちの心配があります。

電池容量を増やすとその分デバイスの重量やサイズに影響が出るため、メガネ型の形状に収まりきらないという課題があるため、さらなる技術進歩が必要です。

その現状を補うため、XREALの「XREAL Beam Pro」のように、ARグラスと接続して使うデバイスも、よりメジャーになっていく可能性があります。

用途別!ARグラス選びの3つのポイント

実際にARグラスの購入を考えている人のために、次の用途別のおすすめ製品を紹介します。

  • 映像を楽しみたいなら
  • ゲームを楽しみたいなら
  • ビジネスに使いたいなら

映像を楽しみたいなら

ARグラスでの映像鑑賞では、ディスプレイの性能や画質(画面解像度)が重要です。

スペック上の解像度が同じでも、製品によって視野角や輝度(画面の明るさ)が異なる点に注意してください。没入感を求めるなら視野角が広いもの、明るい場所で見るなら輝度が高いものなど、重視するポイントや環境に合わせて性能を選ぶことが大切です。

映像視聴のおすすめ製品はRokidの「Rokid Max」。ARグラス(グラス型ディスプレイ)では広めの50度の視野角、明るい画面(最大600ニト)、さらに近視補正機構もあるのが特徴です。

(出典:「Rokid Max」「Rokid Station」「Rokid AR Joy Pack」をドコモショップ、ドコモオンラインショップ、ひかりTVショッピング Amazon店などで販売を開始!|Rokid inc

ゲームを楽しみたいなら

ゲームプレイ用途の場合、画質(画面解像度)に加え、リフレッシュレートも重要です。また、接続できる外部デバイスの多さもポイントになってきます。

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ゲーム用途のおすすめ製品はXREALの「XREAL Air 2」です。最大リフレッシュレートは120Hzで、高性能オーディオがゲームプレイに向いています。また、外部デバイス「XREAL Beam」や「XREAL Beam Pro」と接続することで、無線接続可能なデバイスや画面モードの種類を増やせます。

XREAL Air 2

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ビジネスに使いたいなら

ビジネス用途の場合、デバイスの基本性能に加え、ビジネスに使えるソリューションが提供されているかが重要です。ただし、高い性能が求められるぶん、一般消費者向けに比べて大きかったり、重い製品が多く、また、価格面でも一段上のクラスになります。

NTTコノキューデバイス

(出典:NTTコノキューデバイス

ビジネス向けのおすすめ製品はNTTコノキューデバイスで開発中のXRグラス「MiRZA」です。ARグラスのサイズ感は保ちつつ、NTTコノキューが提供するMR遠隔作業支援ソリューション「NTT XR Real Support」にも対応する予定です。

そのほか、ややマニアックな製品ながら、Sightfulの「Spacetop G1」も注目製品です。こちらはノートPCのディスプレイをARグラスに置き換えるという大胆なコンセプトのデバイスです。

ARグラスでできることが広がっている今こそ試す価値がある

エンタメからビジネスまで、さまざまな用途で使えるARグラス。製品の種類も増えつつあり、製品ごとの特徴も少しずつ違っていて個性があります。ぜひ自分に合ったARグラスを見つけて、実際にAR体験を楽しんでみましょう!

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