
Xiaomi(シャオミ)がGoertek(ゴアテック)と提携し、“Ray-Ban Metaのような製品をリリースする”と噂されています。
一方、Metaは次世代Ray-Ban Metaに小型のヘッドアップディスプレイ(HUD)を搭載するとか?
ライトな機能をもつグラスタイプのXRデバイスを巡り、テック業界が賑わっています。動向を詳しく見てみましょう。
中国のXiaomiがGoertekと提携!新製品をリリース
XiaomiとGoertekが提携して何やら販売するようです——。という話の前に、両社がどのような企業かご存じない方もいると思うので、触れておきましょう。
Xiaomiの方は、聞いたことがあるという人も多いかもしれません。中国・北京に本社を置くテクノロジー企業で、スマホをメインにしながらさまざまな家電やIoT機器など、幅広い分野で製品を開発し事業を展開しています。
高性能でありながら低価格でコスパの高いスマホをつくることで定評があり、2024年にはEV(電気自動車)市場に参入したことで話題になりました。
もう一方のGoertekは中国・山東省の電子機器メーカーで、特に音響技術や精密部品、そしてXRデバイスの製造に強い企業です。そして、さまざまなグローバル企業のOEM/ODMを手がけています。
Goertekが製造した製品にはAppleの「AirPods」や「Apple Watch」などがありますが、注目すべきは「Meta Questシリーズ」「Apple Vision Pro」「PlayStation VR」といった、XRデバイスの生産に関わっていたことです。XR市場の重要なサプライヤー企業なのです。
もともとXiaomiとGoertekは関係が深く、Xiaomiのスマートウォッチやワイヤレスイヤホンの製造をGoertekが手掛けてきました。そんな両社が提携し、スマートグラスを開発中という記事が掲載されました。中国メディアによる報道が情報ソースのようです。
記事によると、XiaomiとGoertekが開発しているとみられるスマートグラスは、どうやら「Ray-Ban Metaをベンチマークした(目指した)」、ライトなスマートグラスになるそうです。
予想されているのは、外見はメガネ/サングラスタイプで、カメラおよびマイク、スピーカーを内蔵、そしてAIによる操作サポートを搭載するなど、Ray-Ban Metaとほぼ同等の製品のようです。
記事によると、同製品は2025年第二四半期に発売されるとのこと。正式な製品発表はXiaomiが毎年、創立を記念して4月に開催するイベント「Xiaomi Fan Festival」までに行なわれ、場合によってはイベントに間に合うように発売されると予想していますが果たして・・・?
そして、正式に発表されたあと、Xiaomiは同製品を主に中国で販売していく狙いがあるといいます。なぜならRay-Ban Metaは中国で販売されていないからです。おや?そういえばRay-Ban Metaは日本でも発売されていません。
一方でXiaomiの製品は日本で多数展開されています。同製品も日本で発売されるのか?気になりますね。
Ray-Ban Metaにも新たな動きが
一方のRay-Ban Metaですが、こちらは相変わらず売れ行き好調。MetaのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏はその売上が2024年に100万台を突破したと発表しています。
そして報道によれば、MetaはRay-Ban Metaの販売元である企業、EssilorLuxottica(エシロールルックスオティカ)との提携をさらに10年継続し、「進化版」のRay-Ban Metaを発売するとされています。
進化版Ray-Ban Metaは、小型のHUDが搭載されたグラスタイプの製品と噂されています。これにより進化版Ray-Ban Metaは、現行モデルにない「AR機能」が新たに追加されることになりそうです。
実は以前の報道では、EssilorLuxotticaはMetaと契約を延長しないとされていました。というのもHUDを内蔵することで、Ray-Banが長年培ってきたメガネ/サングラスのデザインコンセプトがゆらぐことを危惧したからとされています。
確かに、現行のRay-Ban Metaは、Ray-Banブランドのメガネ/サングラスにあるハイクオリティなデザインからまったく逸脱していません。
Ray-Ban Metaの快進撃が功を奏したのか、それともHUDを内蔵したとしても進化版Ray-Ban MetaのデザインがEssilorLuxotticaの“お眼鏡”にかなうような仕上がりなのか——。現時点では不明ではあるものの、両社の提携が続くことは明らかなようです。
現行のRay-Ban MetaにMeta AIを活用した文字情報をはじめとするAR要素が加わるとなれば、これまた期待するしかなさそうです。

今後はライトな機能をもつグラスタイプが主流に?
XiaomiとGoertekの提携による新製品、進化版Ray-Ban Metaなど、メガネ/サングラスタイプのスマートグラスの製品が登場することは今後、増えそうです。
さらにMetaはスポーツ・アウトドア系のグラスブランド「Oakley(オークリー)」と提携し、サイクリスト向けのARグラス製品の提供を計画しているという報道もあります。

“ライトな機能をもつグラスタイプのデバイス”と言っても、現行のRay-Ban Metaのような表示機能をもたないタイプ、簡単な表示機能をもつタイプ、そしてスポーツ用・・・。さまざまなバリエーションの製品が今後、登場するかもしれません。
「じゃあ、どっちを選ぼう?」なんて迷うことも今後はありそうで、それはそれで楽しみですね。
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