OpenXRとはXRアプリ開発に関する標準規格
OpenXRとは、XRアプリを開発する際に、XRデバイスやプラットフォームごとに異なる仕様やコード(プログラム)を共通の仕様に統一し、XRデバイスやプラットフォームの違いを越えて(クロスプラットフォーム)使えるようにするための規格です。
OpenXRはクロノス・グループ(Khronos Group)という組織が仕様策定をおこなっており、2019年7月に正式版となるバージョン1.0が公開されました。また、2024年4月には最新版となるOpenXR 1.1がリリースされています。
なお、OpenXRはロイヤリティフリーのオープンスタンダードなAPIであり、誰でも自由に使えます。
OpenXRの役割
OpenXRが登場する前は、同じ内容のXRアプリを作るにしても、最終的に動かすXRデバイスやプラットフォームごとに複数のコード(プログラム)を用意する必要がありました。
それがOpenXRを利用することで、基本的にひとつのコードだけで複数のXRデバイスやプラットフォームに対応可能になりました。複数のコードを用意する必要がなくなったことで、アプリの開発コストやメンテナンスコストを下げられるというメリットもあります。
OpenXRで仕様の標準化が進められている主要なものとしては、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)・コントローラー・ゲームエンジン・トラッキングデバイス・触覚デバイスなどがあります。
2024年4月にアップデートされたOpenXR 1.1では、OpenXR 1.0ではオプション扱いだった機能がコア機能に統合されるなど、機能の標準化がさらに進みました。
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OpenXRの利用用途は多岐にわたる
OpenXRが実際にどこで使われているのか、その例を表にまとめました(2024年11月現在)。
どれだけ広い範囲で活用されているか、この表からもわかるでしょう。
種類 | 名前 | 解説 |
---|---|---|
ゲームエンジン | Unity(ユニティ) | ゲームエンジン。OpenXR対応のプラグインを提供している |
Unreal Engine(アンリアルエンジン、UE) | Unityと並ぶゲームエンジン。OpenXR対応のプラグインやランタイムを提供している | |
ハードウェア | Microsoft HoloLens 2 | MRデバイス。UnityでOpenXRを使ったアプリ開発ができるUnity向けプラグインを提供している |
Meta Questシリーズ | VRゴーグル(VRヘッドセット)。OpenXRで開発するためのSDKを提供している | |
VIVE XR Elite | VRゴーグル(VRヘッドセット)。OpenXRで開発するためのSDKを提供し ている | |
Magic Leap 2 | ARデバイス。2023年4月にOpenXRに対応することを発表した | |
プラットフォーム | Steam(SteamVR) | 世界最大級のゲームプラットフォーム。2020年6月にVRタイトルのOpenXRへの移行を発表した |
Roblox(ロブロックス) | オンラインゲームプラットフォーム。2023年6月にVR版をOpenXRに対応させた | |
ソフトウェア | Ultraleap | ハンドトラッキングのソフトウェア。2020年7月にOpenXR対応のソフトウェアをリリースした |