VRやARのことを調べていると「3DoF」や「6DoF」という言葉を目にするかと思います。
本記事では、VR・AR技術を学ぶ上で、知っておきたい用語について解説します。
DoFとは?
「DoF」は「Degree of Freedom」の略で、日本語で言うと「自由度」という意味を持ちます。またその読み方は「ドフ」です。
XRでは、3DoF、6DoFのように、任意にオブジェクトを動かすことができる方向がいくつあるのかを指します。
3DoFとは
「3DoF(スリードフ)」とは、つまり「3つの方向性の自由度」を指します。
VRゴーグル装着後に、その場で「首を上下に振る」「首を左右に振る」「見渡すように首を回す」といった動きが可能です。しかし、歩いたり座ったりするなどの動きには対応していないため、自身が歩き回ることでアバターを歩かせるようなことはできません。
3DoFデバイスでVR空間内を移動するには、専用コントローラーやキーボード、ハンドトラッキングなどで操作する必要があります。
3DoFでできること
3DoFでは、定点で観察するような、ユーザーの物理的移動を伴わないVRコンテンツを体験することが可能です。
わかりやすいもので言えば、YouTubeにたくさんアップされている360°動画です。
360°動画はスマートフォンで閲覧している場合には、スマートフォン自体を前後左右に向けることで、360°方向を変えての視聴が可能です。
ジェットコースターや、スカイダイビング・パラグライダーなどのスリルのある乗り物やアクティビティをテーマとしたコンテンツなどで採用されていることが多く、VRゴーグルを装着して動画を視聴した場合、スマートフォン等の画面で視聴するよりも実際に体験しているかのような没入感が得られます。
6DoFとは
視界の回転に加えて、移動が反映されるのが「6Dof(シックスドフ)」です。
6DoF(6軸)に対応したVR/ARデバイスの場合、3DoFの回転軸に加えて位置移動まで反映されます。
例えば、ユーザーが近づいた時に、その分目の前のオブジェクトが大きく表示されるなど、ユーザーの移動がVR/ARのコンテンツにも反映される場合、6DoF対応となります。
3DoFと違い、VRゴーグル装着後、その場で「首を上下に振る」「首を左右に振る」「見渡すように首を回す」ことに加え、歩行などの手段でユーザー自身が「前後・左右・上下に移動」をすることが可能で、ユーザーの物理的な移動にコンテンツが連動してくれます。
もしVR/ARデバイス(またはコンテンツ)の購入を検討されるときには、3DoF、6DoFのどちらなのかもチェックしてみるといいかもしれません。
6DoFでできること
6DoFは、現在VRゲームや住宅内見などで利用されています。
VRゲームで人気の「Beat Saber(ビートセイバー)」は、VR専用のリズムゲームで、ライトセーバーのような光る剣を両手に持ち、画面奥から流れてくるキューブを音楽に合わせて斬ってハイスコアを狙います。
ユーザーの動きに合わせてアバターが実際に動き、飛んでくる障害物をしゃがんで避けるなどの体験が可能です。
また、住宅の内見では、2020年に株式会社クリーク・アンド・リバー社が、ハウスメーカーや工務店がVR空間で顧客にモデルハウスをプレゼンできるサービス「超建築VR」を提供しています。
VRモデルハウス内では、床や壁などを詳細な建築データを基に再現。
営業担当者もお客様も、それぞれの場所からVRモデルハウスにアクセスし、住宅を説明・見学することができます。
6DoF対応で空間を再現することで、しゃがんで床を確認したり、空間の広さを疑似体験することも可能です。
6DoF対応のおすすめのVRデバイス3選
6DoFを存分に楽しむためには、動きによって視界が変わることから「高い解像度」や「リフレッシュレート※」また「デバイスの重量」などが重要です。
※リフレッシュレート:ディスプレイが1秒間に描写できる映像のコマ数を示すもので、数値が高いほど滑らかな映像が表示されます。この3つの要素に絞って、おすすめのデバイスをピックアップしてご紹介します。
【高解像度/高リフレッシュレート】Meta Quest 3
(出典:Meta Quest 3|Amazon)
4Kを超える高い解像度と改善されたリフレッシュレートを特長としており、前モデルのMeta Quest 2を超える没入感が得られます。
進化したトラッキングシステムにより、さらにリアルな動きが可能になり、VR体験が格段にアップグレードされています。
多様なコンテンツに対応しており、ゲーム、映画、フィットネスプログラムなど、さまざまな用途での使用が想定されています。
Meta Quest 3にはVR外の周囲の環境をリアルタイムに見ることができるパススルー機能があり、MR(Mixed Reality:複合現実)のコンテンツを利用できることも大きな特徴です。
また、人間工学に基づいたコントローラーは、使いやすさを一層向上させています。スタンドアロンでの使用はもちろん、PCとの接続も可能で、幅広いコンテンツに対応しているため、さらに多くのユーザーに推奨できるデバイスです。
【軽量かつ高解像度】PICO 4
(出典:PICO 4|Amazon)
PICO 4はスタンドアロン型のVRゴーグルで、軽量でバランスの取れた設計が魅力です。ストラップなしの重量がわずか295gの軽さでありながら、4K+の高解像度と最大90Hzのリフレッシュレートを実現し、広い視野角でリアルなVR体験が可能です。
高いトラッキング性能も特長で、PICO Storeを通じてさまざまなエンターテインメントやフィットネスコンテンツにアクセスできます。
また眼鏡をかけたままでも利用可能であり、さらに専用の視力補正レンズも用意されています。
PICO StoreではRPG、シューティング、アクション、カジュアル、パズルなど、約340種類のVRゲームが用意されています。さらにSteamと連携すれば6000種類以上のゲームを楽しむことができます。
【圧倒的高解像度】VIVE Focus 3
(出典:VIVE Forcus 3|Amazon)
VIVE Focus 3は、ビジネス向けに特化したスタンドアロン型VRヘッドセットです。
5Kの高解像度表示と120Hzのリフレッシュレートで、クリアで滑らかなVR体験を実現してくれます。
またハンドトラッキング機能※により、手をコントローラとして使用することができます。
広い視野角と人間工学に基づいたデザインにより、長時間の使用でも快適性を保ちます。高品質なサウンドシステムも搭載しており、VR空間での没入感を高めます。企業向けのアプリケーションやトレーニングに最適化されており、ビジネスシーンでの使用に特におすすめです。
VIVE Business AppStoreでは、トレーニングやシミュレーションなど、ビジネス上のニーズに対応したVRアプリやツールがあり、購入プランも複数用意されています。
※ハンドトラッキング機能:映像に写っている手や指の位置を検出し、コントローラーを使わずに、素手で操作できるようにする機能を指します。
各用語を理解して、自身にあったデバイスやアプリケーションを選択してみてください。