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教育分野でメタバースを活用するメリット・デメリット、事例などを解説!

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教育分野でメタバースの技術の導入が注目されています。今回は、教育分野でメタバースを活用するメリット・デメリットを解説します。活用事例も紹介するので、教育分野にメタバースを活かしてみたい方は参考にしてみてください。

教育分野におけるメタバースとは?

メタバースとは、インターネット上で自分自身の分身であるアバターを操作して動き回れる仮想空間です。他者とコミュニケーションを交わしたり、商品の売買をしたりできるなど、利用の幅が広くなっています。

直接対面する必要がない点が大きな特徴であり、教育分野でもメタバースの活用が進み始めており、すでにメタバースで入校できる学校も登場するようになりました。メタバースが今後、教育に課題を抱える学校や生徒、新たな市場を検討する起業家などに恩恵をもたらす可能性は高いです。

教育分野でメタバースをスムーズに活用できるよう、あるいは関連ビジネスをスタートできるよう、メリット・デメリット、活用事例などを押さえておくことが重要です。

>ここの文章が訂正される文章です。誤った文言が記載されています。
>この記事の配信日時は、2025年です。

教育分野でメタバースを活用するメリット

教育分野にメタバースを活用するメリットを見ていきましょう。

メリット1.生徒の学習時間を増やせる

通常の学級に参加するには通学が不可欠であり、毎日1時間以上の時間をかけて学校に行く生徒も珍しくありません。その点、メタバース空間であれば自宅から授業を受けられるので、通学時間を減らして勉強時間を増やせます。学校としては進学実績も向上させられるかもしれません。

メリット2.通学時のトラブルを防止できる

メタバース空間で授業を受けられるようにすれば、通学の必要もなくなります。幼い生徒が通学時に交通事故に見舞われたり、不審者に誘拐されたりする心配がなくなります。通学時のトラブルを防止できるのは、保護者にとっては見過ごせない利点です。

メリット3.不登校の問題を解決しやすくなる

アバターを活用すれば顔を見られずに済むため、不登校の生徒でも授業に参加しやすくなります。暴力や体罰がきっかけで不登校になってしまった生徒も安心して参加できます。メタバースをベースとした教室が普及すれば、不登校による教育機会の損失が減っていくでしょう。

メリット4.現実世界ではできない疑似体験ができる

メタバース上であれば、現実世界ではできない疑似体験ができます。たとえば、歴史の授業で過去に戦争が起こった場所を訪れることで、戦争の悲惨さを自分事のように感じられます。社会の授業で訪れたことのない地域の営みを体験すれば、教科書で学ぶより地方や海外での暮らしに興味を持ちやすくなるはずです。

教育分野でメタバースを活用するデメリット

教育分野でメタバースを活用するメリットをお伝えしましたが、活用するうえで懸念点もあります。

デメリット1.システム障害で授業が中断される

メタバースではシステム障害が発生すると授業が中断される恐れがあります。復旧までの期間が長引けは授業が遅れてしまいます。教育現場でメタバースを活用するのであれば、システムの保守管理が大切です。企業目線としても、いかに安定したメタバース環境を提供できるかが、ビジネスの信頼性を高める鍵となるでしょう。

デメリット2.生徒が運動する機会が減る

メタバース上だと、生徒は自分の体ではなくアバターを動かします。パソコンの前に座る時間が増えて運動の機会が減る可能性が高いです。映像に自分の動きを投影させるアクティビティーを必要に応じて取り入れるなどの工夫が重要になります。ビジネスを始める方であれば、体育に関する教育コンテンツを開発するなど、新たな市場に参入する準備を進めておくとよいかもしれません。

デメリット3.教育コンテンツが不足すると教育効果が薄れる

メタバース空間が広くても、教育コンテンツが不足すれば、教育効果が薄れてしまいます。学校であれば進学実績も低くなってしまうでしょう。メタバース向け教育コンテンツを作成するにはVR技術が必要になり、基本的には開発会社に依頼することになります。費用対効果を慎重に考えてメタバースの導入を検討することが大切です。

そのほかにも、想定されるデメリットはさまざまです。ルールや制度が未発達で保護者からメタバースの導入に理解が得られないケースが考えられます。導入コストが原因で学費が増加すれば、入学希望者が減るかもしれません。また、現実での対人コミュニケーションとは異なり、アバター操作特有の嫌がらせが発生するリスクもあります。自然とのふれあいが減る恐れもあり、環境問題を考える機会が失われるかもしれません。デメリットを見落とさずにそれぞれに対策を講じる必要があります。

教育分野におけるメタバースの活用事例

教育分野では学校の仕組みを大きく変えるメタバースの活用事例が登場し始めています。早速、教育分野におけるメタバースの活用事例をご紹介します。

勇志国際高等学校がメタバース生の募集を受付

勇志国際高等学校は、メタバースにより生徒がアバターで卒業できるようにした日本初の高校です。2024年4月から入学・転入する生徒の募集を開始しました。

メタバース生には無償でVR機器が貸出され、オンラインホームルームはVR空間で実施されます。

”勇志国際のメタバース生は学校教育法一条に定める学校が提供するコースの為、卒業者は、全日制高等学校と同様に高校を卒業したものとなります。”

引用:日本初・アバターで高校を卒業できる! 勇志国際高等学校「メタバース生」2024年4月入学・転入生募集を開始(株式会社アオミネクスト)

教育現場におけるメタバースの活用が法的にも認められているのが画期的です。履歴書にメタバース生としての学歴を記載できます。将来、メタバースを基盤とした学校がますます増えていくと予想できるでしょう。

MEキャンパスがメタバース上で学園祭を開催

MEキャンパスは、アバターを活用して仮想空間の施設で学べるメタバースの学校です。株式会社MetaLabが運営しており、2023年10月1日に初の学園祭「ME祭(ミーさい)」をメタバース上で開催しました。

メタバース上では学生の課題作品が展示されたり、特別授業のパブリックビューイングが実施されたりしました。

近年は感染症拡大によりイベントが中止になる事態が相次ぎましたが、メタバースであれば非接触でイベントに参加できます。教育現場にメタバースの仕組みが普及すれば、文化祭に限らず学校行事を安定的に開催しやすくなるに違いありません。

参照:メタバースの学校”MEキャンパス、初のメタバース学園祭を10月1日に開催。一般参加申込みの受付開始!(MEキャンパス)

今後も教育分野におけるメタバースの動向に注目

今回は、教育分野におけるメタバースの概要をはじめ、メリット・デメリット、活用事例などを解説しました。教育分野でメタバースを活用することで、不登校や通学中のトラブル回避、学習時間の増加など、さまざまなメリットを享受できます。

メタバース上で学園祭を実施するなどの事例は、学校現場における感染症対策の新たなヒントにもなったのではないでしょうか。ただし、メタバースならではのデメリットもあるので、導入現場の状況に応じて対応策を検討する必要もあります。

メタバースによって教育現場の仕組みが大きく変わり、教育関係者や生徒、企業を取り巻く環境も変化していく可能性が高いです。今後も教育分野におけるメタバースの動向に着目していきましょう。

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この記事を書いた人
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